南海トラフ地震でライフラインはどうなる?家族の通信・電気・水を守る備え

南海トラフ地震でライフラインはどうなる?家族の通信・電気・水を守る備え スマホ代見直し

※本記事には広告・PRが含まれます。

※制度・サービス内容は2026年9月時点で確認しています。災害時の提供状況や対応端末は変わるため、利用時は必ず各社の公式情報をご確認ください。

節約家サキママ
節約家サキママ

「南海トラフ地震が起きたら、停電や断水だけじゃなくてスマホも使えなくなるの?家族全員が同じ携帯会社だけど大丈夫かな……」

通信の専門家<br>サキパパ
通信の専門家
サキパパ

「同じ携帯会社にまとめると家族割は分かりやすいけれど、防災では全員が同時に圏外になるリスクもあるよ。大事なのは、1つのサービスを信じ切らずに通信・電源・水・トイレを何重にも備えることなんだ」

大規模地震の直後は、基地局そのものが壊れていなくても、停電や回線混雑によって電話がつながりにくくなります。

さらに、スマホの充電が切れれば、携帯回線や衛星通信が生きていても利用できません。自宅の光回線が無事でも、ONUやWi-Fiルーターへ電気を供給できなければ通信は止まります。

つまり、災害対策は「どの携帯会社が一番強いか」を決めるだけでは不十分です。

この記事では、南海トラフ巨大地震を想定し、子育て家庭が今から準備できる通信・電気・水・食料・トイレの確保方法を、優先順位まで含めて分かりやすく解説します。

  1. 結論|家族のライフラインは「5重化」と「7日分」で守る
  2. この記事でわかること
  3. この記事の信頼性
  4. 南海トラフ巨大地震ではライフラインが同時に止まる
    1. 携帯電話は地震直後より数時間後に悪化する可能性がある
    2. 1週間後も断水が続く地域がある
  5. 災害時の通信は5つの手段を重ねる
  6. 家族の携帯キャリアを分けると同時圏外のリスクを下げられる
    1. ブランド名ではなく「どの回線網か」で分ける
    2. 家族構成別の分け方
    3. 楽天モバイルは家族内の「別回線候補」にしやすい
    4. ahamoはドコモ網を加えたい家庭の候補
    5. 家族で回線を分けても絶対につながるわけではない
  7. JAPANローミング™は一般利用者向けの非常時事業者間ローミング
    1. 使える機能は2つの方式で大きく違う
    2. JAPANローミング™を過信してはいけない5つの理由
  8. 公共安全モバイルシステムは一般家庭向けではない
  9. Starlinkは「専用アンテナ型」と「スマホ直接通信」で別物
    1. Starlink専用アンテナは自宅・事業所・避難所向け
    2. Starlink Directは対応スマホだけで衛星につながる
    3. iPhone 14以降はAppleの衛星機能も確認する
    4. 一般家庭はStarlink購入より先にそろえる物がある
  10. 00000JAPANと171は料金ゼロで準備できる
    1. 00000JAPANは災害時に開放される無料Wi-Fi
    2. 災害用伝言ダイヤル171は家族で使う番号を決めておく
    3. 安否メッセージは短く統一する
  11. 電気の確保|通信手段より先にスマホの電池が切れる
    1. 最低限そろえたい電源
    2. 発災後すぐに行う省電力設定
    3. 光回線やホームルーターにも電源が必要
  12. 水・食料・携帯トイレは7日分を目標にする
    1. 家族人数別の7日分備蓄量
    2. マンションは断水していなくてもトイレを流さない
    3. 子育て家庭は大人用の計算だけでは足りない
  13. 地震が起きる前・直後・その後にすること
    1. 平常時にしておくこと
    2. 強い揺れ・津波警報の直後
    3. 数時間後から3日間
    4. 4日目から7日目
  14. よくある失敗7選
    1. 1.家族全員が別ブランドだから安心だと思う
    2. 2.JAPANローミング™なら災害直後から自動で全部使えると思う
    3. 3.Starlink Directなら普通に電話できると思う
    4. 4.Starlink専用アンテナを買えば停電でも使えると思う
    5. 5.水と食料だけ準備してトイレを忘れる
    6. 6.連絡先も地図もスマホの中にしかない
    7. 7.一度も訓練しない
  15. 防災に使うお金の優先順位
    1. 0円でできること
    2. 少額から始めること
    3. 毎月の通信費を見直して行うこと
    4. 高額な装備は最後に検討する
  16. よくある質問
    1. Q1.JAPANローミング™があれば家族で携帯会社を分けなくてもよいですか?
    2. Q2.格安SIMでもJAPANローミング™を利用できますか?
    3. Q3.Starlink Directは家の中でも使えますか?
    4. Q4.停電しても衛星通信なら使えますか?
    5. Q5.公共安全モバイルシステムを個人で契約できますか?
    6. Q6.家族の回線は何社に分ければよいですか?
    7. Q7.光回線とスマホがあれば通信は二重化できていますか?
  17. まとめ|家族割より先に「家族全員が同時に止まらないか」を考える

結論|家族のライフラインは「5重化」と「7日分」で守る

最初に結論です。

南海トラフ巨大地震への備えは、次の5つを組み合わせるのが現実的です。

  1. 家族のスマホを異なる携帯電話網に分ける
  2. JAPANローミング™・00000JAPAN・災害用伝言板の使い方を知る
  3. Starlink Directなど衛星通信の対応状況を事前確認する
  4. モバイルバッテリーやポータブル電源で通信機器の電気を確保する
  5. 水・食料・携帯トイレを最低3日分、できれば7日分備蓄する

ただし、沿岸部で強い揺れを感じた場合は、通信の確認より津波からの避難が最優先です。家族へ電話をかけ続けるために避難を遅らせてはいけません。

「まず逃げる。安全を確保してから短いメッセージを送る」という順番を、家族全員で決めておきましょう。

この記事でわかること

  • 南海トラフ巨大地震で想定される停電・断水・通信障害
  • 家族で携帯キャリアを分けるメリットと正しい組み合わせ
  • 2026年4月に始まったJAPANローミング™の仕組み
  • 国が推進する公共安全モバイルシステムを一般家庭も使えるのか
  • StarlinkとStarlink Direct、iPhoneの衛星通信の違い
  • 00000JAPAN・171・web171の使い方
  • 家族人数別に必要な水と携帯トイレの量
  • 防災用品をそろえる優先順位

この記事の信頼性

サキパパ

スマホ・インターネット販売歴7年以上。
これまでに累計3,000件以上の通信費見直しをサポートしてきました。

現在はスマホ販売の現場管理やスタッフ育成、研修業務に携わりながら、日々リアルな販売現場で通信サービスと向き合っています。

2022年に第一子が誕生し、仕事と子育てに奮闘中。

パパマックスでは、子育て世帯や30代・40代の家庭に向けて、スマホ代・インターネット代を分かりやすく見直す方法を発信しています。

難しい料金プランやキャンペーンも、家計目線で「結局どれを選べばいいのか」までやさしく解説します。

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この記事では、内閣府・総務省・通信事業者などの一次情報を確認したうえで、「家族が実際に何を準備すればよいのか」まで落とし込んで解説します。

南海トラフ巨大地震ではライフラインが同時に止まる

内閣府が2025年3月に公表した最新の被害想定では、南海トラフ巨大地震の発災直後に、次のような被害が見込まれています。

ライフライン発災直後の想定
停電約2,610万軒~約2,950万軒
固定電話の不通約1,140万回線~約1,310万回線
固定・携帯電話輻輳により約90%規制され、1割程度しか通話できない可能性
上水道約2,770万人~約3,690万人が断水
下水道約3,320万人~約3,570万人が利用困難
都市ガス約56万戸~約175万戸で供給停止

出典:内閣府「南海トラフ巨大地震 最大クラス地震における被害の様相」

これは被害の幅を示した想定であり、特定の地域で必ずこの数字になるという予測ではありません。ただし、電気・水道・通信・物流が同時に止まる可能性を考える必要があります。

携帯電話は地震直後より数時間後に悪化する可能性がある

内閣府の想定では、携帯基地局の非常用電源は最低でも約3時間稼働する一方、その後に電源が止まり、不通エリアは発災数時間後から翌日にかけて最大になるとされています。

地震直後にアンテナが立っているからといって、「もう通信は大丈夫」とは限りません。

  • 基地局の非常用バッテリーが切れる
  • 基地局までの伝送路が切れる
  • 発電機の燃料補給ができない
  • 安否確認の電話が集中して回線が混雑する
  • 自分のスマホやモバイルバッテリーの電池が切れる

このように、通信は電気・道路・燃料にも依存しています。

1週間後も断水が続く地域がある

同じ被害想定では、発災1週間後でも約950万人~約1,720万人が断水したまま、都市ガスも約36万戸~約129万戸で供給停止が続く可能性があります。

支援物資がすぐに全家庭へ届くとは限りません。特に南海トラフ巨大地震のような広域災害では、被災地が広すぎて支援する側の人員・車両・燃料も不足します。

そのため、「3日分だけあれば必ず助けが来る」ではなく、可能なら7日間を自宅でしのげる備えが必要です。

災害時の通信は5つの手段を重ねる

災害時の通信は、どれか1つを選ぶのではなく、次のように重ねて考えます。

優先通信手段役割主な弱点
1家族で異なる携帯電話網平常時から使える最初の予備線広域停電・全社設備被害では使えない
2JAPANローミング™被災した契約先以外の4G網へ接続発動・方式・端末対応に条件がある
3衛星とスマホの直接通信地上の圏外エリアで最低限の連絡屋外・対応端末・対応機能などの制限
4Starlink専用アンテナ複数端末へWi-Fiを提供できる専用機器、電源、空が開けた設置場所が必要
5171・web171・ラジオ・集合場所通信できない状況も想定した最後の手段家族で事前ルールを決める必要がある

重要なのは、「Starlinkがあれば全部解決」「JAPANローミング™が始まったから別回線は不要」と思い込まないことです。

家族の携帯キャリアを分けると同時圏外のリスクを下げられる

家族割や自宅回線とのセット割を使うため、家族全員を同じ携帯会社へまとめている家庭は少なくありません。

料金面では合理的でも、防災面では1つの通信網へ集中している状態です。

たとえば、父・母・子どもが全員同じ回線網を使っていると、その回線だけ基地局や伝送路に障害が起きた場合、家族全員が同時に通信できなくなる可能性があります。

一方、家族内で異なる通信網を使っていれば、少なくとも誰か1人のスマホがつながる可能性を高められます。

ブランド名ではなく「どの回線網か」で分ける

携帯会社の名前が違っても、使っている大元の通信網が同じなら分散にならない場合があります。

回線グループ主なブランド例
ドコモ網ドコモ、ahamo、ドコモ回線を利用するMVNO
KDDI網au、UQ mobile、povo、au回線を利用するMVNO
ソフトバンク網SoftBank、Y!mobile、LINEMO、ソフトバンク回線を利用するMVNO
楽天網楽天モバイル

たとえば「auとUQ mobile」「SoftBankとY!mobile」は料金ブランドが違っても、災害対策としては同じ回線グループです。

MVNOも、契約画面や公式サイトでドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線のどれを利用するか確認しましょう。

家族構成別の分け方

家族構成現実的な分け方ポイント
大人2人ドコモ網+KDDI網、または大手網+楽天網まず2系統へ分散する
大人2人+子ども2~3種類の回線網へ分散子どもの端末がない場合は親の副回線でもよい
1人暮らし1台のデュアルSIMで異なる2回線端末故障・紛失には弱いため予備電源も必要
高齢者を含む家族操作に慣れた主回線+家族の別回線災害時だけ複雑な切替操作を求めない

同じ家の全員が高額な大手プランを契約する必要はありません。

たとえば、1人は普段の品質を重視した回線、もう1人は料金を抑えやすい楽天モバイルやオンライン専用プランにすると、通信網を分けながら家族全体の固定費も調整できます。

楽天モバイルとahamoの違いは、こちらで詳しく比較しています。

楽天モバイルとahamoどっちが得?現場目線で徹底比較

楽天モバイルは家族内の「別回線候補」にしやすい

家族の主回線がドコモ・au・ソフトバンク系なら、独立した楽天回線を加えることで回線網を分散できます。

ただし、防災目的だけで契約するのではなく、自宅・職場・学校・通勤経路など普段の生活圏で楽天回線が利用できるかを確認してください。

料金・家族向け特典・エリア面の注意点は、次の記事でも解説しています。

楽天モバイルが最安級で強い理由5選|料金・家族割・注意点

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ahamoはドコモ網を加えたい家庭の候補

現在の主回線がKDDI・ソフトバンク・楽天系なら、ドコモ網を使うahamoを家族内へ加える方法もあります。

オンライン手続きが中心のため、災害時に初めて操作するのではなく、普段から契約内容・データ残量・設定画面を確認できるようにしておきましょう。

ahamoの最新料金・キャンペーンを確認する(PR)

家族で回線を分けても絶対につながるわけではない

異なる携帯電話網へ分散しても、津波・停電・基地局倒壊などで地域の全ネットワークが止まる可能性はあります。

回線分散は「必ずつながる保証」ではなく、「全員が同時に使えなくなる確率を下げる備え」です。

だからこそ、次に解説するJAPANローミング™・衛星通信・公衆Wi-Fi・伝言板も併用します。

JAPANローミング™は一般利用者向けの非常時事業者間ローミング

2026年4月1日から、非常時の通信を支えるJAPANローミング™が始まりました。

これは、大規模災害や大規模通信障害で契約中の携帯電話会社のネットワークが使えなくなったとき、別の携帯電話事業者の4G設備へ切り替えて通信する仕組みです。

対象となるMNOは次の4グループです。

  • NTTドコモ
  • KDDI・沖縄セルラー
  • ソフトバンク
  • 楽天モバイル

「3キャリアを使える国の制度」と説明されることもありますが、2026年時点のJAPANローミング™は楽天モバイルを含む国内4MNOが共同で取り組む仕組みです。

使える機能は2つの方式で大きく違う

機能緊急通報のみ方式フルローミング方式
110・119・118○○
一般の音声通話×○
SMS×○
データ通信×○・最大300kbps

「緊急通報のみ方式」では、警察・消防・救急・海上保安への通報だけが対象です。緊急通報機関から折り返しを受けられない場合もあります。

「フルローミング方式」では一般通話・SMS・データ通信も利用できますが、データ通信は送受信最大300kbpsです。動画視聴ではなく、テキストでの安否確認や必要な情報収集を優先しましょう。

また、0120・0800・0570などのサービス番号や、#7119・#8000など一部の短縮番号は利用できません。

JAPANローミング™を過信してはいけない5つの理由

  1. 災害や障害が起きれば必ず発動するわけではない
  2. 事業者間の協議後に開始されるため、利用開始まで時間がかかる場合がある
  3. 被災していない他社設備にも混雑や停電が起こり得る
  4. 端末・OS・契約サービスによって利用できる機能が違う
  5. MVNOは音声・SMSを使えても、データ通信に対応しない場合がある

古いスマホでは一部方式に対応しない可能性があります。平常時にOSを最新へ更新し、契約先の対応機種と利用方法を確認しておくことが重要です。

「JAPANローミング™」は一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)による商標です。

公共安全モバイルシステムは一般家庭向けではない

JAPANローミング™と混同しやすいのが、政府が推進する公共安全モバイルシステムです。

公共安全モバイルシステムは、警察・消防・自治体・ライフライン事業者などが、災害現場で音声・画像・映像を共有するための公共機関向け通信基盤です。

一般家庭が個人用スマホへ申し込み、自由に複数キャリアを使うための制度ではありません。

また、現在提供されているIIJ公共安全モバイルサービスは、単一契約でNTTドコモ回線とKDDI回線を使える構成です。

展示会などで見かける「1枚のSIMで3キャリアを使えるマルチプロファイルSIM」は、民間企業が法人・業務用途向けに提供する別サービスの場合があります。

整理すると、次の違いです。

仕組み主な利用者家庭で利用できるか
JAPANローミング™一般の携帯契約者○・発動時のみ
公共安全モバイルシステム消防・警察・自治体など原則×
3キャリア対応SIMなど法人・IoT・業務用途が中心商品・契約条件による

「国が3キャリアを使えるようにしてくれるから何もしなくてよい」と考えず、家庭では自分たちで回線・電源・連絡手段を分散しておきましょう。

Starlinkは「専用アンテナ型」と「スマホ直接通信」で別物

災害時の通信手段として注目されるStarlinkですが、専用アンテナを使う通常のStarlinkと、スマホが衛星へ直接つながるStarlink Directは別サービスです。

項目Starlink専用アンテナStarlink DirectAppleの衛星通信
必要なものアンテナ、ルーター、契約、電源対応スマホ、対応契約・OS対応するiPhone・OS
主な用途Wi-Fiで複数端末をネット接続メッセージ、位置情報、一部アプリ緊急SOS、メッセージ、位置情報など
音声通話ネット通話は通信状況とアプリ次第通常の音声通話は基本非対応通話ではなく衛星経由のテキストが中心
利用場所空が開けた場所へアンテナ設置空が見える屋外空への視界が開けた屋外
停電時別途電源が必要スマホの電池が必要スマホの電池が必要

Starlink専用アンテナは自宅・事業所・避難所向け

Starlinkは低軌道衛星を使ったインターネットサービスです。地上の光回線や携帯基地局が被災した場合でも、アンテナから衛星へ接続できればWi-Fiを確保できる可能性があります。

一方で、次の準備が必要です。

  • 専用アンテナとルーター
  • 利用可能な契約
  • 空が開けた安全な設置場所
  • 本体・ルーターを動かす電源
  • 非常時にも迷わず設置できる事前練習

停電時は、ポータブル電源や発電設備がなければ使えません。また、マンションのベランダは空の見え方や管理規約、落下防止、安全な避難経路を確認する必要があります。

災害当日に初めて箱から出すのではなく、平常時に接続・消費電力・稼働時間を試しておきましょう。

Starlink Directは対応スマホだけで衛星につながる

Starlink Directは、専用アンテナを使わず、対応スマホがStarlink衛星と直接通信するサービスです。

2026年9月時点では、au・NTTドコモ・ソフトバンクがそれぞれサービスを提供しています。ただし、対象プラン・対応機種・OS・対応アプリ・料金は各社で異なります。

できることは、テキストメッセージ、位置情報共有、災害情報の受信、一部対応アプリのデータ通信などが中心です。通常の音声通話がそのままできるサービスではありません。

auでは、条件を満たす対応端末からメッセージで情報を送り、専用センターが緊急通報受理機関へ代理通報するau Starlink Direct SOSも提供されています。ただし、通常の110・119番への衛星音声通話とは仕組みが異なり、事前の対応状況確認が必要です。

さらに詳しい実用性と弱点は、既存記事で解説しています。

Starlink Directの実用性は?無料でも過信できない理由

auの対応機種・設定手順はこちらです。

au Starlink Directの設定方法|衛星モードが出ない原因も解説

iPhone 14以降はAppleの衛星機能も確認する

日本では、対応するiPhone 14以降で衛星経由の緊急SOSを利用できます。

また、条件を満たせば衛星経由のメッセージや位置情報共有も可能です。これは通信会社が提供するStarlink Directとは別の仕組みです。

設定アプリには衛星通信のデモも用意されています。地震が起きてから操作方法を調べるのではなく、平常時に家族で一度確認しておきましょう。

一般家庭はStarlink購入より先にそろえる物がある

Starlink専用アンテナは強力な選択肢ですが、すべての家庭で最初に買うべき防災用品ではありません。

水・携帯トイレ・モバイルバッテリーが不足した状態で、高価な通信機器だけを購入しても生活は維持できません。

一般家庭なら、次の順番が現実的です。

  1. 7日分の水・食料・携帯トイレ
  2. スマホ用モバイルバッテリーと充電ケーブル
  3. 家族の通信網を2系統以上へ分散
  4. JAPANローミング™・衛星機能・171を事前確認
  5. 必要性が高い家庭だけポータブル電源やStarlinkを検討

山間部・離島・津波で孤立しやすい地域、事業所、自治会、避難所運営などでは、Starlink専用アンテナの優先度が上がります。

00000JAPANと171は料金ゼロで準備できる

00000JAPANは災害時に開放される無料Wi-Fi

00000JAPANは、大規模災害や深刻な通信障害時に、対応する公衆Wi-Fiを誰でも利用できるようにする統一SSIDです。

パスワードなしで利用できる一方、原則として通信の暗号化は行われていません。

そのため、次の用途を中心に使いましょう。

  • 家族への短い安否連絡
  • 自治体・気象庁・通信会社の公式情報確認
  • 避難所や給水所の確認
  • web171への登録・確認

ネットバンキング、クレジットカード番号の入力、重要なパスワード変更などは避けるのが無難です。偽のアクセスポイントにも注意し、公式に開放された場所を確認してください。

また、00000JAPANはどこでも空から電波が降ってくるサービスではありません。避難所・店舗・駅など、開放されたWi-Fi設備の近くで利用します。

災害用伝言ダイヤル171は家族で使う番号を決めておく

災害用伝言ダイヤル171は、音声で安否情報を録音・再生できるサービスです。

基本操作は次のとおりです。

  • 171へ電話する
  • 録音は「1」、再生は「2」
  • 家族で決めた電話番号を入力する
  • ガイダンスに従って短く録音・再生する

インターネットが使える場合は災害用伝言板web171も利用できます。

毎月1日・15日などには体験利用日が設定されています。防災用品を買うだけで終わらせず、家族全員で実際に試しましょう。

安否メッセージは短く統一する

災害直後に長文を作る必要はありません。家族で次の型を決めておくと迷いません。

無事です。○○小学校にいます。娘と一緒です。けがなし。次は18時に連絡します。

伝える内容は4つです。

  1. 無事か、けががあるか
  2. 今いる場所
  3. 誰と一緒か
  4. 次に連絡を確認する時間

「大丈夫」だけでは居場所が分かりません。短くても具体的に残しましょう。

電気の確保|通信手段より先にスマホの電池が切れる

災害時は、スマホを普段どおり使うとすぐに充電が減ります。

地震後は基地局を探し続けたり、何度も再接続したりするため、圏外のスマホは電池消費が増えることもあります。

最低限そろえたい電源

  • PSEマークを確認したモバイルバッテリー
  • 家族の端末に合う充電ケーブル
  • USB Type-C・Lightningなど必要端子の変換アダプター
  • 乾電池式または手回し対応のラジオ
  • LEDライトまたはヘッドライト
  • 必要に応じてポータブル電源とソーラーパネル
  • 車を使える家庭は車載USB充電器

モバイルバッテリーは容量だけでなく、劣化・膨張・ケーブル不足にも注意が必要です。高温になる車内へ放置せず、定期的に残量と外観を確認しましょう。

車から充電する場合も、閉め切った車庫などでエンジンをかけてはいけません。一酸化炭素中毒を防ぐため、車両と充電機器の説明書に従って安全を最優先してください。

発災後すぐに行う省電力設定

  • 画面の明るさを下げる
  • 低電力モード・バッテリーセーバーを使う
  • 動画視聴やゲームを控える
  • 不要なバックグラウンド通信を止める
  • 家族への連絡は電話より短いテキストを優先する
  • 使用しない時間帯は電源を切るか機内モードを検討する

ただし、緊急速報や連絡を待つ必要がある場合は、ずっと機内モードにしないでください。「30分ごとに通信を確認する」など家族で時間を決めると、電池を節約しやすくなります。

光回線やホームルーターにも電源が必要

自宅の光回線は、回線設備が無事でもONUとWi-Fiルーターが停電すると使えません。

ポータブル電源を選ぶときは、次の計算で必要容量の目安を出せます。

必要電力量(Wh)=機器の消費電力(W)×使う時間(h)

実際には変換ロスがあるため、計算結果ぎりぎりではなく余裕を持たせます。Starlink、ONU、ルーター、スマホを同時に動かす場合は、実機の消費電力を測っておきましょう。

なお、WiMAXやホームルーターも地上の携帯基地局と電気を使います。持ち運べるからといって、衛星通信の代わりになるわけではありません。

普段使いのWi-Fi選びはこちらで解説しています。

安い無制限ポケットWi-Fiおすすめ|GMO WiMAXが本命

水・食料・携帯トイレは7日分を目標にする

政府広報では、食品は最低3日分、できれば1週間分程度の備蓄が重要と案内しています。

飲料・調理用の水は、農林水産省の案内で1人1日3リットルが目安です。

携帯トイレは、経済産業省が1人1週間35回分を目安としています。

家族人数別の7日分備蓄量

家族人数飲料・調理用水携帯トイレ
1人21リットル35回分
2人42リットル70回分
3人63リットル105回分
4人84リットル140回分
5人105リットル175回分

この水量は飲料・調理用の目安であり、手洗い・洗濯・トイレなどの生活用水は別です。

一度に全部そろえるのが難しければ、普段飲む水・レトルト食品・缶詰などを少し多めに置き、使った分を買い足すローリングストックから始めましょう。

マンションは断水していなくてもトイレを流さない

マンションでは水が出ても、建物内の排水管や下水道が破損している可能性があります。

安全確認前に上階からトイレを流すと、下の階で汚水があふれるおそれがあります。管理会社・自治体などから安全が確認されるまでは、携帯トイレを使用するのが基本です。

「浴槽の水があるからトイレは大丈夫」ではありません。水より先に、凝固剤・排便袋・防臭袋をセットで準備してください。

子育て家庭は大人用の計算だけでは足りない

子どもがいる家庭では、次の物も追加します。

  • 年齢に合う食事・おやつ・飲料
  • おむつ、おしりふき、防臭袋
  • 常用薬、解熱剤、体温計
  • 母子手帳・保険情報の写し
  • 子ども用マスク、着替え、タオル
  • 不安を和らげる小さなおもちゃや絵本
  • 保育園・学校の引き渡しルールを記した紙

スマホの中だけに情報を入れると、電池切れや故障で見られません。家族の電話番号、集合場所、アレルギー、常用薬など必要最小限の情報は紙でも持ちましょう。

地震が起きる前・直後・その後にすること

平常時にしておくこと

  1. 自宅・職場・保育園・学校のハザードマップを確認する
  2. 自宅近くと地域外の2か所に集合場所を決める
  3. 171で使う代表電話番号を1つ決める
  4. 家族の携帯回線がどの回線網か確認する
  5. JAPANローミング™と衛星通信の対応端末か確認する
  6. スマホ・キャリア設定・防災アプリを更新する
  7. オフライン地図をダウンロードする
  8. モバイルバッテリーとケーブルを点検する
  9. 水・食料・携帯トイレを7日分へ近づける
  10. 毎月1日か15日に171・web171を家族で練習する

強い揺れ・津波警報の直後

  1. 自分と子どもの頭を守る
  2. 沿岸部では通信より避難を優先する
  3. ガス臭や火災など周囲の危険を確認する
  4. 安全な場所から短い安否メッセージを1回送る
  5. 通話を繰り返さず、SMS・メッセージ・171を使う
  6. 低電力モードに切り替える
  7. 気象庁・自治体・携帯会社など公式情報を確認する

数時間後から3日間

  • 携帯基地局の非常用電源切れを想定して電池を温存する
  • 契約回線が不通なら家族の別回線を試す
  • 発動時はJAPANローミング™の公式手順を確認する
  • 屋外で安全を確保できる場合のみ衛星通信を試す
  • 避難所などで00000JAPANや特設公衆電話を確認する
  • 排水管の安全確認までは携帯トイレを使う
  • 冷蔵庫・冷凍庫の食品から順に消費する

4日目から7日目

  • 給水所・物資配布・避難所情報を公式情報で確認する
  • 電池と水を家族内で均等に使わず、用途別に管理する
  • 連絡確認の時間を決め、常時通信を減らす
  • 在宅避難が危険になった場合は自治体の指示に従って移動する
  • デマを転送せず、情報の発信元と更新日時を確認する

よくある失敗7選

1.家族全員が別ブランドだから安心だと思う

auとUQ mobile、SoftBankとY!mobileなど、ブランドが違っても同じ回線網を使います。必ず大元の通信網を確認してください。

2.JAPANローミング™なら災害直後から自動で全部使えると思う

発動には事業者間の判断が必要で、緊急通報だけの方式になる場合もあります。対応端末や設定にも条件があります。

3.Starlink Directなら普通に電話できると思う

現時点ではテキスト・位置情報・一部アプリが中心です。通常の音声通話を前提にしないでください。

4.Starlink専用アンテナを買えば停電でも使えると思う

アンテナとルーターには電源が必要です。ポータブル電源、設置場所、実際の稼働時間までセットで準備します。

5.水と食料だけ準備してトイレを忘れる

断水・排水管破損時は水洗トイレを使えません。携帯トイレは1人35回分を1週間の目安にします。

6.連絡先も地図もスマホの中にしかない

スマホが故障・紛失・電池切れになった場合に備え、代表電話番号、集合場所、避難経路は紙でも持ちます。

7.一度も訓練しない

171、衛星通信、デュアルSIM、ポータブル電源は、知っているだけでは緊急時に使えません。平常時に家族で試してください。

防災に使うお金の優先順位

防災用品を一気に高額購入する必要はありません。次の順番なら、家計への負担を抑えながら弱点を減らせます。

0円でできること

  • 集合場所と連絡ルールを決める
  • 171・web171を練習する
  • ハザードマップとオフライン地図を保存する
  • JAPANローミング™・衛星通信の対応状況を確認する
  • 使っていない紙へ家族連絡カードを作る

少額から始めること

  • 水・レトルト食品を毎回少し多めに買う
  • 携帯トイレを人数分そろえる
  • モバイルバッテリーと予備ケーブルを用意する
  • LEDライト、乾電池、ラジオを用意する

毎月の通信費を見直して行うこと

  • 家族全員を同じ高額プランへまとめる必要があるか再計算する
  • 1人だけ別の通信網へ変更する
  • 1台だけ異なる回線のeSIMを追加する
  • 浮いた通信費を水・トイレ・電源の購入へ回す

家族のスマホ代を見直す方法はこちらです。

子育て家庭のスマホ代は高すぎ?現場の見直し実例5選

高額な装備は最後に検討する

  • 大容量ポータブル電源
  • ソーラーパネル
  • Starlink専用アンテナ
  • 家庭用蓄電池

高額装備は便利ですが、保管場所・維持費・充電頻度・実際の使い方まで決めて初めて役立ちます。

よくある質問

Q1.JAPANローミング™があれば家族で携帯会社を分けなくてもよいですか?

いいえ。JAPANローミング™は非常時に事業者間で発動を決める代替手段です。小規模・局地的な障害では提供されない場合や、端末によって利用できない場合があります。

家族で通信網を分ける対策は平常時から有効で、正式なローミング発動を待たずに使える可能性があります。両方を組み合わせましょう。

Q2.格安SIMでもJAPANローミング™を利用できますか?

対象MNOの設備を利用するMVNOで、音声通話・SMS契約があれば、提供時に緊急通報・音声通話・SMSを利用できる場合があります。ただし、データ通信は一部MVNOのみです。

自分の契約先と端末が対応しているか、公式サイトで確認してください。

Q3.Starlink Directは家の中でも使えますか?

基本的には空が見え、衛星との間に大きな遮蔽物がない屋外が前提です。屋内、地下、屋根の下、高い建物や樹木に囲まれた場所では利用しにくくなります。

余震や津波、落下物の危険がある場所へ、通信のためだけに移動しないでください。

Q4.停電しても衛星通信なら使えますか?

スマホ直接通信はスマホの電池が残っていれば利用できる可能性があります。専用アンテナ型Starlinkは本体とルーターへの電力が必要です。

どちらも「衛星だから電源不要」ではありません。

Q5.公共安全モバイルシステムを個人で契約できますか?

原則として一般家庭向けではありません。消防・警察・自治体・重要インフラ関係機関などが利用する仕組みです。

一般利用者向けとして確認すべきなのは、JAPANローミング™、00000JAPAN、災害用伝言板、各社の衛星通信です。

Q6.家族の回線は何社に分ければよいですか?

まずは2種類の通信網へ分けるだけでも、一社集中よりリスクを下げられます。3人以上の家庭で負担が大きくなければ、3種類へ分ける方法もあります。

ただし、料金・普段の電波・サポートの使いやすさも含めて決めてください。防災だけを理由に使いにくい高額プランへ変える必要はありません。

Q7.光回線とスマホがあれば通信は二重化できていますか?

一定の分散にはなりますが、停電するとONUとWi-Fiルーターは止まります。また、光回線と携帯回線の設備が同じ地域で被災する可能性もあります。

異なる携帯電話網、予備電源、衛星通信、171などを追加して考えましょう。

まとめ|家族割より先に「家族全員が同時に止まらないか」を考える

南海トラフ巨大地震では、電気・水道・通信・物流が同時に止まる可能性があります。

通信については、家族全員を同じ携帯電話網へまとめるより、2種類以上へ分けた方が同時圏外のリスクを下げられます。

ただし、別キャリアへ分けるだけでは十分ではありません。

  • JAPANローミング™の対応確認
  • Starlink DirectやiPhone衛星機能の事前確認
  • 00000JAPANと171の練習
  • モバイルバッテリーと予備ケーブル
  • 1人1日3リットルの水
  • 1人1週間35回分の携帯トイレ
  • 最低3日分、できれば7日分の食料
  • 紙の連絡先と家族の集合場所

ここまでそろえて、初めて「通信できる可能性」と「生活を続けられる可能性」の両方を高められます。

私が通信販売の現場で強く感じるのは、料金が安いか高いかだけでなく、家族全体でどの通信網へ依存しているかを見ることの大切さです。

まず今日、家族のスマホがどの回線網を使っているか確認してください。

全員が同じなら、1人だけ別回線へ変えた場合の料金を比較するところから始めましょう。

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